« オーガニック食品を日常的に消費するフランス人たち | トップページ | ブログ移転(予定)のお知らせ »

2015年2月26日 (木)

【シャルリー】イスラム教関連の表紙は10年でたったの1%!

待ちに待ったシャルリー1179号が昨日発売されました!


前回の700万部には及びませんが、今回も怒涛の250万部を発行。シャルリー・エブドとしては、10万部くらいで落ち着いてくれるほうが有難いはずですが、まだまだ人々の興味が薄れる様子はありません。


バカンス中だというのに、昨日7時起きでキオスクに急いだ旦那さんは、3軒目でやっと最新号を入手。







P1000101








表紙を担当したのは、前回と同じ風刺画家、LUZ(リューズ)。


真っ赤な背景色の上で、犬に扮した①サルコジ前大統領、②マリーヌ・ルペン極右政党党首、③イスラム国戦闘員、④ローマ法王、⑤銀行員、⑥同性愛者の結婚などに反対するデモの参加者、⑦ユダヤ人 等々がシャルリー・エブドを加えた犬を追いかけています。


絵のタイトルは「...c'est reparti !」。日本のメディアは「再開だ!」と訳しているところもありますが、「さぁ再出発!」というほうがしっくりきます。


というのも、前回の1178号は、事件直後の混乱の中で勢いで出した・・・いや出たものの、今回は様々な葛藤の末に作り上げた、事実上の再出発を象徴する号だからです。


シャルリー・エブドに編集室を提供し、今週号発売までの特集記事を1面から6面までに掲載した、リベラシオン紙 ↓ によると、







P1000099







前代未聞の売り上げに戸惑い、未だ癒えぬ心身の傷と向き合いながら、6ヶ月以上の休刊や廃刊を考えたメンバーもいたといいます。


特に、テロ以来編集長を担っているRiss(リス)は、肩に受けた傷の痛みが残っていて思うように絵が描けないどころか、今もテロリストがとどめを刺しに来る夢をみるそうです。



それでも続けることにしたのは、ここで長く休んだり廃刊にすることは、犠牲になった風刺画家たちが持ち続けてきた硬い意思に反することであり、1万人から22万人に増えた定期購読者に申し訳ないから。


LUZの描いた表紙にはこれまでシャルリー・エブドが描いてきた代表的な登場人物が集まっていて、「これまで通り続けよう」というシャルリー・エブドの決意が読み取れます。ここで無視してはならないのが・・・


①サルコジと②マリーヌ・ルペンに扮した犬が先頭を走っていること!



これが意味するのは、シャルリー・エブドの主役は誰がなんと言おうと国内の政治家であり、権力者を標的にすることが基本ですよ、ということ。


昨日の新聞「Aujourd'hui en France」の関連記事 ↓ に、こんな数字が載っていました。







P1000102







シャルリー・エブドのここ10年の523枚の表紙を調べた結果・・・


イスラム教関連の絵を載せた表紙はたったの7枚、全体で見るとわずか1,3%だということがわかったのです!!!


更に、全宗教をひっくるめても、表紙に宗教関連の絵が載ったのは523枚中38枚だけ!


一方、最も多いテーマは政治で、523枚中、なんと336枚が政治関連の表紙でした。


こうしてみてみると、シャルリー・エブドがイスラム教、ひいてはムハンマドに執着しているというのは大きな誤りで、他の同業者などが勝手に作り上げた事実無根のイメージに他ならないことがよくわかります。


この調査をした社会学者は言います。


「理解しなければならないのは、なぜシャルリー・エブドがイスラム差別をしているのかではなく、なぜイスラム過激派だけが自分たちの宗教を揶揄する新聞を抑圧しようとしているのかということ」


ムハンマドに執着しているのは、シャルリー・エブドではありません。それは、シャルリー・エブドを敵だと思い込んでいるテロリストを始めとするイスラム教徒、そしてシャルリーエブドを差別主義者に仕立て上げたい人たちなのです。


朝日新聞は今回の表紙について「預言者の姿は見当たらない」と、誤解を助長することを書いています。上記の表紙の統計をみれば、この先ムハンマドが表紙に出てくる可能性は限りなく低いわけですが、これからもムハンマドが描かれないたびに「今回も見当たらない」と言い続けるつもりなのでしょうか?

http://www.asahi.com/articles/ASH2S0G23H2RUHBI02X.html


私個人としては、今回の表紙で追いかけている犬の中に、日本のジャーナリストも加えて欲しかった。



そうでなければ、風刺画について「まずもって自国の政治家にやるべきであって」とか言っちゃった宮崎駿氏を登場させて欲しかった。



この表紙の中で一連のメディアの動きを象徴しているのが、ローマ法王の頭上にある「BFM」と書かれたマイク。


BFMとはBFMTVというフランスのニュースチャンネルのことで、テロ以来好き勝手なことを言い振りまわって、シャルリーをネタにし続ける同業者を代表する存在です。(すべてのメディアを揶揄する意味もあるので、ここに日本のメディアも含まれているということにしておこう・・・)。


そして、本来なら最後尾で“ネタ”を追いかけるはずのシャルリー・エブドが、追いかけられているという構図も、今のシャルリー・エブドやメンバーの気持ちをうまく描写していると思います。


一ヵ月半かけて出すに至った最新号。考え抜いた末にこれまでと変わらない方針で続けることにしたシャルリー・エブドの面々に、一読者として心から拍手を送りたいです。














« オーガニック食品を日常的に消費するフランス人たち | トップページ | ブログ移転(予定)のお知らせ »

Je suis Charlie」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1844700/59072898

この記事へのトラックバック一覧です: 【シャルリー】イスラム教関連の表紙は10年でたったの1%!:

« オーガニック食品を日常的に消費するフランス人たち | トップページ | ブログ移転(予定)のお知らせ »

フォト
2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ