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2014年7月20日 (日)

『便利さより文化を フランスが可決した「反アマゾン法」』

6月26日、フランスの上院で「反アマゾン法」という法律が可決されました。
 
これに関して、とても同感できる記事を見つけたので、ここに載せておきます。
 
 
 
 
便利さより文化を フランスが可決した「反アマゾン法」

(週刊文春2014年7月10日号掲載) 2014年7月3日(木)配信


「さすがフランス、日本とは一味違うな」と感心した。サッカーW杯のことではない。フランス議会が“反アマゾン法”を可決したというニュースだ。文化の保護を目的に、ネット通販業者が書籍を販売する際、配送無料サービスを禁止するという法律である。アマゾンを狙い撃ちにした法律であるため“反アマゾン法”と呼ばれている。

 フランスが保護する文化とは、国内に約3500店舗ある「町の本屋さん」である。書籍の再販制度のあるフランスでは、アマゾンが行う送料無料配送は「ダンピング」に相当し、中小の書店経営を圧迫しているという認識が今回の法律の根底にある。

 私はアマゾンの物流センターに潜入し、05年に『アマゾン・ドット・コムの光と影』を出版した。同書籍を執筆したのは、家族の事情で引っ越したパリでのことだった。

 パリに住んで驚いたのは、その不便さであった。24時間営業のコンビニはなく、スーパーや百貨店も日曜日は閉店。小売店の営業時間には、厳しい法規制がかかっていることを後に知った。日本よりはるかに“大きな政府”が、国の舵取りを行っている。

 日本で甘やかされてきた消費者からすると、何ともサービスが欠如しているように感じた。だがしばらくすると、不便ではあっても生活に支障がないことが分かってきた。

 フランス人が消費者としての不便さを受け入れる背景には、労働者としての権利意識がある。人は労働の対価として賃金を手にして、それを消費に充てる。

働く条件が厳しくなることは、生活が困難になることを意味する。

 今回の“反アマゾン法”にも、同様の論理が働いている。アマゾンという便利なネット通販が送料無料を武器に中小書店をなぎ倒していくのを看過すれば、そうした書店の経営者やそこで働く労働者の生活が成り立たなくなる。ならば、政府が文化の担い手である町の本屋を守るべきだ、と。

 日本でもネット通販の躍進は目覚ましい。その躍進の原動力の1つには、フランスと同様、送料無料の戦略がある。一方で、書店数は減っている。

 フランス議会の動きをみていると、日本から「町の本屋さん」が淘汰される前に、日本の政治にもできることがあるのではないかと思えてくる。

文/横田 増生(ジャーナリスト)









2014年4月13日 (日)

踏んばれ、民主主義!@台湾 つづき

4月10日、台湾で立法院を占拠していた学生たちが、退去しました。
 
あくまでも平和的に解決することを目指した学生たちが退去を決めた一番の理由は、台湾国民のほとんどが学生たちの味方であることを確信したから。
 
3月30日、普段は政治に無関心な人がほとんどの台湾で、50万人規模とも言われる反政府デモがあったそうで、現政権の支持率は5%までに下がっていることを受けての決断です。
 
今後学生たちを中心として、馬英九政権を組織的に打倒できるよう、台湾国民が結束することでしょう。


Manif_taiwan_2


ネット上で見つけた、芸術的ともいえる感慨深い写真 ↑ なんでしょうか、この美しさは・・・
 
 
以下、現地にいた学者たち(佐藤学氏、平田オリザ氏等)の台湾レポート(占拠に至った理由、占拠中の状況など)のリンクを貼っておきます。すでにツイッターなどで拡散されているようですが、まだ読んでいない方は是非ご一読を。(私ごときが言うのは恐れ多いですが、内田樹氏のブログの記事は、これら以外もとても興味深いです)。
 
 
(抜粋→)「・・・機動隊が全国から動員されているのですが、その機動隊も非公式ながら学生支持を表明しています。・・・」
 
 
 
(抜粋→)「・・・まず報告したいのは日本の報道はこの事件に無関心ですし、「学生の暴動」として誤った報道を行っています。・・・(中略)・・・この立法院の周囲には、日によって異なりますが、数千人から5万人の学生と市民が座り込んでおり、立法院の学生たちを守っています。・・・」

http://sun.ap.teacup.com/souun/13749.html

佐藤学氏の台湾レポート③
 ↓
 
(抜粋→)「・・・立法院を占拠している学生たちは「学生の暴動」ではなく「国家の暴力」であると訴えました。・・・学生たちの冷静沈着で賢明な闘いは、大学生たちのほぼ全員の支持と大多数の参加、大多数の市民の支持を獲得しています。名物の夜市の屋台が立法院のまわりに集まって、闘う学生たちに無料で食事を提供しています。・・・」
 
 
(抜粋→)「・・・テレビや新聞の報道はエキセントリックに声を張り上げ、しかも虚偽の情報を発信し、事実を歪めて報道しています。それに対して、学生たちや市民たちの対話は柔らかく、思慮深く、知性的です。この対比こそ私が最も印象づけられたことです。」
 
 
 
(抜粋→)「・・・今回の学生運動と、その支持が大きく広がったのは、運動の過程を通じて、中国資本の浸透が思っていた以上に進んでいたという事実が、はからずも露呈したということがあるようです。」
 
「・・・もともとあんまり政治に関心のない台湾国民は、「やっぱり安心なのは国民党」という感じで巨大与党を選んだら、それが暴走し始めて現在に至っている。という、どこかの国の近い将来を予感させる状態になっている。・・・」
 
 
 
(このニュースは、フランスとも日本とも直接関係ありませんが、台湾という国は日本に似ている部分が多く、他人事とは思えないので、敢えて記事にしました。フランスでは大手各紙がこぞって報道したのに、日本では関連記事をちらほら見かける程度で、それがどうもわざと触れていない気がする。ならば個人ブログでささやかに広めるしかない、と思ったのも理由のひとつです。せっかく同じような状況にあるんだから、この流れを日本にも、という思いも・・・もちろんあります。)




2014年4月 1日 (火)

踏んばれ、民主主義!@台湾

フランスでも日本でもあまり報道されていませんが、日本のお隣、台湾では、学生が立法院(国会)を占拠してから10日がたち、今現在も政府と膠着状態にあります。

事の発端は、立法院で「サービス貿易協定」という法案がわずか30秒で強行採決されたこと。台湾に不利とされるこの法案が可決されれば、中国との市場の開放と共に、中国企業や労働者が流れ込む可能性が大きいそうです。更にはこの法案の先には「中国との統一」が待っているとも言われています。(THE PAGEより http://thepage.jp/detail/20140328-00000006-wordleaf )

今後の台湾を大きく変えてしまう法案そのものと、強行採決に学生たちが異議を唱えるのは当然です。

ウクライナのクリミアは、あれよあれよと言う間にプーチンの手中におさまり、後戻りするのは相当難しいところまで来てしまいました。
 
台湾の学生たちには、長期戦を覚悟してでも踏ん張って欲しい。
 
この映像(2分)を見て、台湾を理解そして応援しましょう! ↓ 

https://www.youtube.com/watch?v=fKU7A22usls&feature=youtu.be






2014年2月16日 (日)

2月に届いた世界記録というプレゼント

巷では冬季五輪が盛り上がっていますが、それとは全く関係のない陸上競技で、昨日、棒高跳びのフランス人選手があの鳥人ブブカの記録を破りました


ウクライナのドネツクで行われた競技会。


ウクライナ人であるブブカ本人が競技場内で見守るなか、6メートル16を一発で超えたのは、Renaud LAVILLENIE(ルノー・ラヴィレニ)、27歳。


父も棒高跳び競技者だったラビレニが、見よう見まねで飛び始めたのは、4歳のとき。7歳で本格的に競技会に参加するようになった彼は、その頃から常に他を圧倒し、自己記録を着々と伸ばし続けました。


フランス記録、ヨーロッパ記録、オリンピック金メダルを経て、残すは世界記録のみとなって迎えた昨日の大会。ブブカが最後に世界記録を樹立した場所で、ブブカに見守られ、自分自身のコンディションも万全、という完璧ともいえる舞台で、夢を実現しました。棒高跳びに没頭し、競技一筋でここまできた彼が、得るべくして得た栄光です。


世界記録が更新されたのは21年ぶりのこと。彼の競技歴とほぼ同じ・・・となれば、もう世界記録を更新するために生まれてきたと言っても過言ではありません。


記録を更新した後も、6メートル21に挑戦したそうですが、歴史的快挙の後で集中力が切れていたせいか、着地に失敗。痛々しい松葉杖姿で帰国するはめになりましたが、これにめげる事なく、今後も記録更新に邁進することでしょう。




さてここで問題です。





2014年2月16日付けのレキップ紙の一面は以下のどちらでしょうか?



a)

Dscn6393 



b)

Dscn6195

















正解は a)



では b)は何かというと、昨年の12月24日の「レキップ紙 夢号」の一面です。


サンタクロースを信じることにしたレキップ紙が、“フランススポーツ界に今後達成して欲しい快挙”を列挙してサンタさんにお願いしたという、同紙らしい、不可解な試みでした。


このラビレニの一面がその日の一面に採用されたことで、まんまと騙されたのは、うちの旦那さん。


「新聞買ってくる」と家をでて、この号を手に興奮した面持ちで帰ってきたまではよかったものの、一面の内容が嘘だと知った後の落ち込みようは半端ではありませんでした。


エイプリルフールなら、こういうのはありだと思います。でもそれ以外で、嘘の記事を書くのは、たちが悪すぎる。せめて付録扱いにして折込にすればよかったのに・・・










2014年2月10日 (月)

所得税75%の屈辱

オーランド大統領の選挙公約:「お金持ちに75%の所得税を」が、今年から施行されます。


数ヶ月前、サッカークラブや選手たちがこの法律に異議を唱え、物議を醸しましたが、当然のことながら彼らの要望は聞き入れられませんでした。


そんな中、2月8日付の「Aujourd'hui en France(パリでは「Le Parisien」)」という新聞が、法律が適用されるPSG(パリのクラブ)の選手たちと、フランスに属さないため法律が適用されないモナコの選手たちの手取りを比較。


その結果、世界的スターであるイブラヒモビッチが、モナコのファルカオ(同じくスター選手ではあるが、イブラほどではない)に抜かれるという、屈辱的な数字が表れました。


イブラヒモビッチの手取りが、807,000ユーロ(≒1億1千万円)に対して、ファルカオは、1,200,000ユーロ(≒1億6千万円)。


この数字を見る限り、庶民は年収を想像してしまいがちですが、これは月給です(爆)


確かに、「何それ?そんなにもらってるなら別にいいじゃん。」と言われても仕方のない額ではあります。


ただし、稼ぎ頭(?)はこの数字ですが、スポーツの世界とは厳しいもので、同じクラブの選手間の月給に雲泥の差があるのが通常。


記事中に、パリの22選手の月給(75%の所得税等が引かれた後の手取り)のリストがあり、イブラヒモビッチを筆頭に手取り額があからさまに公表されていました。


月給が最も少ない22番目の選手の名は、オンジョンダ。



彼の手取りはなんと・・・2800ユーロ(≒39万円)!!!



サッカー選手にして、中堅のサラリーマン並みの額(汗)



39万円でやっていけないことはないでしょうが、これでは夢がなくなるというか、この表に載ったことも悔しいだろうし、彼に75%の所得税はちょっと酷ではないですか、オーランド大統領!









2014年1月 4日 (土)

爆竹で命を落とした29才

1月1日の0時過ぎ、アルザス地方の田舎町で、爆竹による死亡事故が起きました。


請負会社社長の男性(29才)が爆竹に点火したところ、爆竹が手元で爆発。


爆竹の破片が左目を貫通する大怪我を負って呼吸困難に陥り、そのまま帰らぬ人となりました。


もとはと言えば、ドイツが発祥の“火薬で祝う新年”。


ドイツと深い関わりをもつアルザス地方では、“伝統”を継承した若者たちが、大晦日から元旦にかけて、爆竹を鳴らします。けが人を出しては、自治体や国が規則を作るも、違反者は後を絶たちません。


発祥国ドイツでは、若者に限らず、各家庭がこぞって花火を上げるため、毎年、相当数のけが人が出るのが恒例となっているそうです。


同国の花火や爆竹に関する規則は以下の通り

① 各家庭は12月28日から31日までの4日間に一度だけ花火や爆竹を買うことができる。

② 教会、病院、老人ホームを避ける。


この規則では、フランスがどれだけ規制しようと、期間中に国境を越えれば豊富な種類の花火や爆竹を入手できます。ドイツに行くまでもなく、闇業者から仕入れることも出来ると言われています。実際、今回の犠牲者も、フランスで禁止されている爆竹を使用していました。


自分が犠牲になるだけならまだしも、隣近所や通行人に被害が及ぶ場合もあり、他人事ではありません。


7月14日の革命記念日には、全国規模で自治体が花火を上げ、それを静かに見物すればいいものを、その側で、一般市民は爆竹を鳴らします。


自治体ならともかく、素人の、特にフランス人の火薬の取り扱いを全く信用していない私は、花火や爆竹の音が聞こえると身構えますが、旦那さんはそれらを甘く見ていて、わざわざ外に出て見ようとします。


オーストリアでも、年始を祝う花火が近所の家々から上がりましたが、私は音を聞いていただけで、旦那さん一人で観賞。縦ではなく横に飛んでこないか気が気ではありませんでした。


花火の音が聞こえる度に喧嘩をしている私たちですが、このニュースをきっかけに、旦那さんも、爆竹好きフランス人も、少しは火薬(特に出どころ不明の商品)の恐ろしさを理解してくれることを願うばかりです。








2013年12月28日 (土)

靖国参拝に飛びついたフランスメディア

26日、安倍首相が、靖国神社を参拝しました。


それに関するフランスメディアの反応ですが・・・

Yasukuni


↑ デジタル版は、半日で主要メディアが出揃いました。一番速かったのは、ルモンド紙。


秘密保護法が可決されたときは、反応が鈍く、ルモンド紙の記事が読めたのは、数週間後。それが、靖国に参拝したとたんに記事が出揃う、この素早さは一体なんなんでしょう?


記事に付いたコメントも、現時点ですでに33件。秘密保護法のそれは、数週間たっても一桁のままでした。


秘密保護法可決も靖国参拝と同じくらい、いや日本にとってはより深刻なニュースだったはずですが、「Yasukuni」という固有名詞がすでに象徴的になっていて記事にしやすく、近隣諸国が即座に反発したことが、これほどのスピード報道に繋がったのだと思います。


デジタル版も、紙面も、アメリカの声明同様、近隣諸国の反応を懸念する、批判的な記事がほとんどでした。「YASYKUNI」という知名度の高い言葉に注目が集まったことで、日本の行く末を案じるメディアを増やすことになり、ある意味、墓穴を掘ってしまったとも言える安倍氏。今後も暴走を続ければ、世界の風当たりが強くなることは必至です。



(前回の記事(「自民党に探られた!」)も読んでくださった自民党の皆々様、

“恒久平和を誓う”なら、靖国参拝より、護憲にまわる方が堅実ですよ

と安倍首相にお伝えください。)





27日付のフィガロ紙と、Les Echos(経済新聞)の一面をを飾った、日本の首相 ↓



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(真ん中は、Les Echosの最終面。祖父の経歴も踏まえて、似顔絵付きで安倍氏を紹介。)

2013年10月 5日 (土)

YES WE・・・

ここ最近、「日曜日に働くかどうか」で議論が白熱しているフランス。


CASTORAMAというインテリアの大型チェーン店が日曜日に営業しているのを、ライバル店が「違法だ」と訴えたのが事の始まり。


その訴えを受けて、社費でTシャツやらメッセージボードを作ってデモ行進をしているCASTRORAMAの社員。それに続く、その他の大型チェーン店・・・


テレビでその様子を見ていた我が家。デモ隊の様子がアップになったところで・・・






2621159



爆笑


ダジャレ好きにはド壷でした。(これは4月に撮られた写真。その後定期的にメディアに出ていたはずなのに、なんで今頃初見なんだろう??)


さて、この「YES WEEKEND」、「週末(特に日曜日)も働きたい」という意味であり、フランス人が言っているとは俄かに信じがたい話。会社に操られているのか、パリにそういう風潮があるのか・・・。


観光地の大型スーパー、パン屋、たばこ屋などは日曜日(午前のみ)も営業しています。公共交通機関、医療関係者や生ものを扱う業者(例えば乳製品)などは、日曜出勤が当たり前。フランスでも日曜日に働いている人がいるのは事実ですが、それは特例や条件付きであって、本来は休日と定められています。


「YES WEEKEND」を推す従業員は、週末しか働けない学生だったり、雇用が拡大し景気の回復に繋がると謳う人がほとんど。ただ、日曜日に働けるようにしたとして、従業員が数人、時には一人しかいないローテーションが不可能な小規模店舗は、じゃぁいつ休むんだ、となります。週末のうち、土曜日は営業しているところが多いので、週休二日を確保するために今は月曜日が定休日。集客のために土日を開けるとしたら、平日の二日を犠牲にせざるを得ません。「休みなんて週一日でいいじゃないか」と思う人もいるかもしれませんが、何十年も週休二日でやってきたのを半分にするのは簡単なことではありません。


それから、日曜営業をするようになれば、平日に働く人たちが土日にまとめ買いをする傾向が強まり、「やっぱり日曜日は集客率がいい」ように見えます。ところが実際は、消費者のお給料の額は以前と同じであり、総出費額は変わらないので、売り上げが増えるわけではありません。売り上げが伸びないまま、人件費が増えたらどうなるか・・・。


実際、ドイツで同じような試みがあったそうですが、数年後の景気になんの好影響ももたらさなかったとか。


「日曜日は休み」というのが当たり前のフランスにおいて、週末をのんびり過ごす習慣が、ある日突然変わるわけもなく、新しい習慣を定着させるのも難しそう。


目くじらをたててデモ隊を批判するCGT(労働総同盟)の言い分も一理あり。日曜営業で得する人がいるとすれば、それは大企業だけ。商店街のシャッターをこれ以上閉めずに中心街の活気を保つ得策とは言い難い。更に言えるのは、過労死や過労自殺がほとんどない現状は、「日曜休み」が大きく貢献している、ということ(35時間制もあるけど)。



休んで、考えて、という日が週に二日あるかないかで、人生は違ってきます。


人間らしい生活を求めるフランスに、日曜営業は合いません。


週末返上で働くフランス人なんて、フランス人らしくありません。


静まり返る日曜日がなくなることは、フランスの伝統が一つ消えてしまうことだと思います。






2013年4月24日 (水)

同性愛者が子を“授かる”?

フランスの同性愛者に、婚姻及び子を持つ権利を与える法案が、可決されました。


今週末には、賛成派と反対派がそれぞれデモ行進し、パリを埋め尽くしました。


法案可決が間近に迫っていたので、賛成派より反対派のほうが断然多く(主催者側の統計では27万人、警察の統計では4万5千人)、反対派として有名な、政治家、著名人も多数参加。


フランスでは1999年、既に「Pacs」という、カップルを正式に認める法律が、同性愛者のために制定されています。


すべてのカップルに同等の権利を与えるべく、現社会党政権が掲げた大きな公約の一つが今回の法案。


なぜ、Pacsでは物足りないのか? 同性愛者が、養子、人工授精、代理母、等の方法で子を得る意義は何か? そもそも、この法案を必要としている、或いは待ち望んだ同性愛者は存在するのか? 存在するとしたら、どのくらい?


反対派と言っても、根っからのアンチゲイ、という人ばかりではなく(同性愛者を認めない3大宗教の信者だけでなく)、上記のような疑問を持って、反対派にまわった人も少なくありません。


同性愛者であることは、保守的な考えと対極にあるとみなされていて、その彼らが「保守的な人が理想とする幸せのカタチ」を追い求める、というのは矛盾しているようにも見えます。


社会が様々な境遇の人たちに寛容なのは良いことです。ただ、それと「何でもあり」は別物。


同性愛者であっても、子を持ちたいと思うのは人の本能であり、当たり前の願望です。でも愛する相手が同性では、子を授かるのは生物学的に不可能なこと。何らかの方法で子を持ったとして、そんな二人の間で育てられる子供たちが、混乱せず、葛藤を抱えないとは考えにくい。同性愛者が大なり小なり抱える疎外感の中に、無関係の子供を巻き込むのはやはり無責任な気がしてなりません。


どちらにせよ、フランス中の視線を釘付けにした割には、需要が少ないと思われているこの法律。現大統領のパフォーマンスが目的だった、と言っても過言ではなさそうです。






2013年3月23日 (土)

ベンゼマは追放されない。

昨日、サッカーの日本代表がカナダに2-1で勝ちました。


こちらフランスはグルジアに3-1で勝ちました。ブラジルで行われるワールドカップの予選なので、とても大事な試合でした。


そんな代表戦の直前に行われた国歌斉唱が、フランスで物議を醸しています。


昨日の試合はパリで行われたので、グルジアが先に国歌斉唱、そしてフランスと続きました。


最初に映し出されたFWベンゼマとMFリベリーだけが全く歌いませんでした。(リベリーは歌ってるように見えることもあるけど、口が開いてるだけらしい・・・)


その2名のうち、ベンゼマは、数日前にラジオ番組で「国歌は歌わない」と明言したばかり。


昨日は意を決して口をつぐんでいるようにも見えました。


そのベンゼマに関する、産経新聞の記事を発見。読んでみると・・・


サッカー仏代表ベンゼマ追放危機!? 国歌斉唱の問題発言で極右政党が猛反発」なんていう、大袈裟極まりない見出しを掲げ、記事の内容もハチャメチャ。


スポーツ選手が、国歌を歌う歌わないの自由は、現在のフランスでは確実に尊重されます。


昨日はベンゼマとリベリーだけでしたが、スタメンの半数が歌わないことだってあるし、記事にもあるように、あのジダンも、現欧州サッカー連盟の会長、プラティニもフランス国歌を歌ったことはありません。


ベンゼマの場合、明言したのが問題だという見方もありますが、フランスのメディアがこのことを過熱報道しているわけでもなく、ベンゼマの発言に疑問を呈する国民もほとんどいません。


日本には国歌斉唱を教師に強制している自治体がありますが、フランスには入学式も卒業式もないので、国民が国歌斉唱する機会はスポーツ観戦くらい。もし学校で国歌を歌うことになったら・・・なんて、フランス人が一斉に起立してる姿を想像するだけでも可笑しい。


そもそもが、フランス革命以来一度も改定されたことのないフランス国歌。詩の内容がかなり荒々しいので、それを理由に歌わない人もいるくらい。


兎に角、フランスでは国歌斉唱は個人の自由であり、政党が口を挟む問題ではありません。よって、ベンゼマが極右政党の意向で追放されることは、全くもってありえない話なのです。






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