最初で最後(?)の公務員宿舎

2014年12月 4日 (木)

フランス版「公務員宿舎」の悪夢 その4

(フランス版「公務員宿舎」の悪夢 その1 その2 その3 のつづき)


「その3」からだいぶ時間がたってしまいましたが、書き渋っていたわけではありません。その4の結論となるはずの学校の決定がいつまでたっても出されず、この話を書き終えることができずにいたのです。読者の中には、「その4、いつになったら書くの?」「その4書くの忘れてるんじゃない?」「その4がないじゃねぇかよ!」などと、“その4”がなかなか出てこないことに疑問を持った人がいるかと思いますが、そういう方々には計らずして、フランス公務員家族の「待ちぼうけの日々」を疑似体験してもらうことになりました(笑)


さて、その3がどんな話だったか自分でも忘れてしまうほど時間がたったので、その3までのおさらいをしてからその4に入りたいと思います。


これまでのあらすじ → 2014年10月22日、我が家は旦那さんの勤務先である中学校に隣接する“教職員用宿舎(築30年)”に引っ越してきました。ところが、寝室2部屋のリフォームは始まったばかりでリビングでの寝起きを強いられ、入居して3日もたたないうちにガスボイラーが故障、トイレも不具合が絶えないなど、次から次へと問題が発覚しました。問題の多くが長引き、解決する様子がない中、適切な管理を怠った学校相手に、何らかの形で賠償してもらうことになりました。


・・・・・・・・・・・・・・・・・


引っ越して2週間ほどたったころ、旦那さんが賠償の話を切り出しました。


交渉した相手は・・・経理のおばちゃん(年齢不詳)。


我が家の増え続ける問題を一挙に引き受けているキーパーソンですが、余程のことでもなければ笑顔を見せない、とっつきにくいお方です。


加えて忙しい人でもあるので用件はできるだけ手短に済ませなければなりません。


旦那さんが早速、「これほどの問題を抱える家の家賃は全額払う気になりません。減額してもらうことはできないでしょうか?」と言ってみると・・・


答えはあっさり、「家賃は変更できません」


これは彼女が決めたのではなく、公務員宿舎の今年度の家賃は数週間前の役員会議で決定したばかりで、今さら変更することはできないから駄目なのだそうです。


呆気ない幕切れかと旦那さんが諦めようとした矢先・・・


「その代わり・・・」彼女は続けました。


「11月と1月の管理費を無しにすることはできるかもしれません。」


日本で管理費というと大した額でもないことが多いですが、この家の管理費には水道代と光熱費も含まれています。その2か月分がチャラになるとすればしめたもの。


「そうなるように私が手配します。」という、またしても口約束というのが心許ないですが、一筋の希望の光が差したのは確かでした。


「それから・・・」おばちゃんは更に続けます。


「家賃は11月3日から計算します。」





私たちが引っ越してきたのは10月22日。


「10月22日から11月3日までの家賃はどうなるんですか?」と旦那さんが尋ねると、

「あなたたちは11月3日から住んでいることになっています。」と繰り返す経理のおばちゃん。


なぜですか??


という疑問はもちろん旦那さんも抱きましたが、10日分の家賃も事実上なかったことになるものを追求して経理のおばちゃんの考えを変えてしまうことほどもったいないことはありません。ここは黙って発言を受け入れるのが妥当です。


結局その時点で、“10日分の家賃と2か月分の管理費をチャラにしてもらう”というまずまずの収穫を得て、旦那さんは経理室を後にしました。


それから数日後。


今度は珍しく経理のおばちゃんが旦那さんに声をかけてきました。


「家賃のことですが、校長が「最初の月は支払わなくていい」と言っています。」


「いや、でも家賃には手を付けられないとこの間おっしゃっていませんでしたか?」


「言いました。でも校長が何が何でもそうするべきだ、と言っているので。」


旦那さんの上司であるその校長は、実は女性です。まだ40代で若いし、なかなかの美人。


フランスの有名人に例えると、この人 ↓











100761hugeresizedphoto



(仏独共同出資チャンネルarteの28 minutes」という討論番組の司会者、Elisabeth Quin という女性。髪型は全然違うけど、目と雰囲気がそっくり。)


そんな才色兼備の女校長は、なんと、思いやりも人一倍兼ね備えておられました。


誠意を見せるということがフランスでは稀な中、こうして私たちのことを思って対応する姿には感動すら覚えます。


とはいうものの、学校側のこれまでの口約束はほぼすべて破られてきた我が家としては、当然今回も鵜呑みにするわけにはいきません。


どうせまた、上の上のそのまた上の許可が下りなかったから・・・とかなんとか言って話が流れるのがオチなんだろうと、思いました。


そもそもが、経理のおばちゃんが無理だと判断したことをどうやって可能にするのでしょう?


実際に起こったのは、こういうことでした ↓


11月19日 「来週の役員会議(※)で“家賃の取り消し”に関する多数決をとります。」と、経理のおばちゃんから旦那さんに通告。 (※校長を筆頭に、自治体の代表、保護者代表、生徒会長などが出席する数ヶ月に一回行われる会議)


11月26日 役員会議当日。経理のおばちゃんがインフルエンザに罹って欠席。役員会議の決定・報告事項は学校の会計関連の話がほとんどなので、彼女なしでは会議にならず、多数決も延期。


12月3日(つまり昨日) 経理のおばちゃんが復帰して、役員会議。“我が家の家賃の取り消し”多数決は、3時間もかかった会議の一番最後に行われ、「そんなことどうでもいいよ」という雰囲気の中・・・全員賛成であっさり決定


と、こんな感じで、ハラハラドキドキ結果を待った私たちとは裏腹に、いとも簡単に11月分の家賃の支払いが闇に葬られました!


これプラス2か月分の管理費もチャラになるのかどうかは怪しいですが、入居以来1ヵ月半の間、家賃や管理費の類は一切支払っていないのは紛れもない事実です。


日本円にして10万円近くが賠償されることになり、1ヶ月以上のリビング生活に耐えた甲斐があったというもの。


あっ、そうそう、数日前にやっと寝室2部屋のリフォームも完了しました。


ただし・・・


「ドアが閉まらない」という欠陥を残したままの“完了”です(怒)


リフォーム最終日に、修理工がぶつぶつ言いながら作業をしていたので何事かと思っていましたが、部屋と廊下の間の敷居板が突出しすぎてドアが閉まらないからでした。


で、普通の修理工はここでなんとかドアが閉まるようにして仕事を終えるわけですが、うちの修理工は“放置”という、プロとして有り得ない行動に出ました。


旦那さんは「次会ったらドアが閉まるようになるまで家から出さない」などと言ってましたが、私としては、もう戻ってきて欲しくありません。


とりあえずはリビング生活から開放され、思った以上に賠償されることが決まったわけで、ドアが閉まらないことくらいは目をつぶります。


そしてまだ解決していない問題と共に、次の引越しまで「待ちぼうけの日々」を続けようと思います。







                                   とりあえずおわり










Dscn8598

↑ 問題の敷居板。


↓ この部屋も・・・

Dscn8599



↓ この部屋も・・・

Dscn8600


これ以上閉まらない・・・









2014年11月18日 (火)

タンクとボイラーが来た!!

引越しから25日。


ようやく物事が動き始めました。


まず、金曜日の午後に「一階のトイレ用タンク」が到着! ↓





Dscn8534





ちなみに前のタンクはこれ ↓



Dscn8442



(昔は「引く」今は「押す」が主流の、トイレを流す部分の違いが時代の変化を物語っています。)


これでやっと、“タンクを開けて部品をつついて流す(正確には水を貯める)”という面倒な作業から開放されます。


ただし、タンクを持って現れたのは、我らが学校専属修理工!


その日の午後はタンクの交換に費やし、寝室のリフォームは延期されてしまいました(涙)


修理工いわく、「便器も全部交換しようと思ったけど、学校が許可しなかった」とのこと。


便器も確かに古そう(たぶん30年近くそのまま)ですが、便器も取り替えることになれば、寝室のリフォームが更に延びていたはずなので、タンクの交換だけで十分。


ここに永住するわけではないし、最低限の住み心地が確保できればそれでいいのです。


そして昨日、待ちに待った真新しいガスボイラーもやってきました!!


何の予告もなく月曜日の朝8時半にやってきたので、びっくりさせられた上、一日がかりの工事で水道が止められていて不便でしたが、20日間待たされたことに比べれば大したことではありません。


結局、管の総入れ替えは免れ(というか、その必要があったのかもしれないけど、学校のケチケチ経理が総入れ替えを拒み)、ガスボイラーのみの交換となりました。


きっとまた数年後に不具合が発生するのでしょうが、知ったこっちゃない。


決定権を学校が握っている限り、この家は、後先考えずにその場しのぎの対応で管理される運命にあります。


それはそれで必要最低限の出費で済むし、まだ使えるものを完全に故障するまで使うのは物を大切にするフランス人の意地の表れなのかもしれませんが、現にこうして酷い目に合っている家族がいるんだし、教職員用宿舎なんだから借り手が途切れることはほとんどないわけで、もう少し長い目で管理してもいいはずなのに、という意見がかき消されてしまうのは虚しいことです。


何はともあれ、トイレと暖房が正常になって一安心。


配管工がいつ来るかわからない2階のトイレはともかくとして、遅々として進まない寝室のリフォームがせめて11月中に終わることを夢見る我が家なのでした。






真新しいガスボイラー ↓ 近未来的な青い光(火ではない)が新しさを象徴しています。後ろの壁との恐ろしいほどのコントラストがまたなんとも・・・






Dscn8535









2014年11月13日 (木)

フランス版「公務員宿舎」の悪夢 その3

フランス版「公務員宿舎」の悪夢 その2 のつづき)


教職員用宿舎に引っ越してきて3週間、寝室のリフォームが超マイペースに進行している間、他の場所では問題が多発進行しています。



ガスボイラーは、修理工の3度目の訪問で調子を取り戻したように見えたのですが、また停止しては復旧するということを繰り返していて、数日前にやっと、ガスボイラー交換の許可が学校から下りました。


ただ、今後、最低3社から見積もりをとって、それをまたRectorat(大学区本部=我が家の引越しを許可した所)に提出、Rectoratゴーサインを出して初めて工事が始まるそうです。


よりによって、ここ最近の日中の気温は10度。朝晩はなんと1度!


そんな呑気な予定を立てている場合ではないのですが、少なくともあと一週間はまともな暖房がない生活を強いられそうです。


そして、故障すればガスボイラー以上に深刻な“あの場所”も、現在とっても不安定な状態にあります。




それは、ここ ↓











Dscn8442





Dscn8443







実はこの公務員宿舎にはトイレが2つもあります。


2つとも、開けたらビーナスが出てきそうな便座のふた以外は、フランスの標準的なトイレです。


ただし、一階のトイレ(写真上)は引越し直後から不具合が絶えず、タンクに水が流れてこないことが何度もあり、故障と見なして使うのを避けていました。それが、数日前にタンクの蓋を開けて色々触っていたら、何かに引っかかっていた部品が思い出したように作動して再び水が流れてきました。以来、“タンクを開けて部品の一部をつつく”という方法で流しているわけですが、これが面倒この上ない。トイレとしての最低限の機能が不足していて、とにかく不便なのです。更に問題なのが2階のトイレ(写真下)。こっちは「流す度に排水管から汚水が数滴漏れる」という文字通りの“汚点”を抱えていて、使うたびに不快な思いさせられていました。「面倒」か「汚い」かを選べと言われれば、当然前者のほうがましなので、一階のトイレがとりあえず流せるようになってからは2階のトイレの使用は極力避けています。


そもそもが、トイレなんて2つもいらないので、まともなトイレが一つ欲しい。


トイレに限っては自費で修理を頼もうかと考えたのですが、「来週には配管工が来ます」という事務のおばちゃんの言葉を考慮して、待つことにしました。


でも、このままいつまでたっても配管工が来なくて、1階のトイレのタンクにどうやっても水が流れてこなくなって、2階のトイレの汚水漏れがひどくなって使えなくなったとしたら・・・想像するだけで恐ろしい。あぁもう早くなんとかしてください。


更にもう一つ、絶望的なことがあります。


それは、磨けど磨けど掃除が終わらないこと。


この公務員宿舎に入る前の口約束だった “入居前に学校の掃除係が家中をくまなく掃除してくれる” という話が果たされず、引越しから3週間が経とうとしている今も、黒ずみ、油汚れ、くもの巣をとりつづけているのです。


一年間空き家だったために、床や壁は黒ずみ、特にくもの巣はいたるところに張り巡らされています。前述のトイレも、「これなら許せる」と自分で納得できる状態になるまでに1週間はかかりました。


そしてトイレ以上に絶望的なのが、車庫。「車庫=外同然」という方程式が成り立つからか、かなり長い間、誰も掃除をしてこなかったのでしょう。クモの巣がびっしりと天井を覆っていて・・・


なんと、それで綿菓子ならぬ“クモの巣菓子”ができてしまいました! ↓











Dscn8410



(食事中の方、汚い話ばかりでごめんなさい。)




その他、台所の換気扇が故障しているとか、シンクに一箇所穴が開いていて水漏れするとか、屋根裏部屋の窓が開かないとか、未だに郵便受けがなくて学校に届く郵便物の中に我が家宛の郵便物が交じっているとか、問題や不具合は挙げたらきりがありません。


今回、リフォームや掃除の口約束が全く果たされなかったことで、つくづくフランス人の言うことは鵜呑みにしてはならないと思い知らされているわけですが、ここで目くじらをたてて学校関係者との関係を悪化させてしまえば、私たちが見放されることは目に見えています。


そこで始めたのが・・・“賠償交渉”。


リビング生活を強いられ、寝室のリフォームが一向に進まず、暖房はあってないようなもので、トイレは不安定、おまけに家全体が汚い・・・そんな家の家賃はだれも払う気になりません。


そのことをできるだけ穏やかな調子で説得して、何らかの形で賠償してもらうことにしたのです。






                                  つづく








2014年11月 7日 (金)

脅威の3分の1ドン

学校関係者が活動を再開して5日目に突入しました。


寝室のリフォームは亀のペースで進行中で、それを請け負う修理工の働きぶりがあまりにも常識を逸脱しているので、ここに記しておきたいと思います。


まず、月曜日と火曜日の彼のタイムスケジュールはこうでした ↓



8:45―我が家に到着

11:20~12:30―昼休み

15:30―我が家を去る



二日間の平均労働時間は、なんと5時間半!


更にすごいのは、おととい水曜日の勤務時間 ↓


9:00―我が家に到着

11:20~12:30―昼休み・・・かと思っていたら

      12:45 になっても戻ってこない

      13:00 ・・・今日はいつもより昼休みが長いのね

      13:30 ・・・いや

      14:00 ・・・これはもしかして

      15:00 ・・・戻ってこないんじゃない?


・・・というわけで、おとといは午前中働いただけで、本当に戻ってきませんでした(爆)


半ドンの更に上を行く、“3分の1ドン”とも言える、2時間20分という記録。


あと30分でも延長してくれれば、私たち家族は少しでも早くまともな生活を始めることができるのに、彼にとっては私たちのリビング生活より“長時間労働”のほうが問題らしく、焦る様子は微塵もありません。


学校専属だし、我が家を去った後に学校の仕事があるのかも、と思ってあげてもいいですが、「今週一週間は宿舎のリフォームに集中するように」という校長の支持が与えられているため、事の優先順位がわかっていないのは明らかです。


極めつけは、会話の中で発覚した彼の信条。


月曜日、フローリングの設置がスムーズに進行していたので、「この部屋(のフローリング)は明日までに終わりそうですね」と言ってみたら、「・・・予定はたてないほうがいい」とぼそっと返されました。


学校専属だから失業の危機感を失ってこうなってしまったのか、それとも、もともと超マイペースなのに運よく今の職にあり付けたのか・・・。


どちらにせよ、今週中に寝室のリフォームが終わるかもしれない、という微かな希望は見事に失われてしまいました。









~おまけ~


昨日、木曜日の時点で、この部屋のフローリングの設置は終了 ↓



Dscn8439




この部屋のフローリングも・・・↓



Dscn8440



あっ、最後の一枚がない! ↓


Dscn8441





これまた、よりによって最後の一枚が足りず、板を追加購入しなければならなくなりました。注目すべきは、その後、修理工がとった行動。なんと、彼は「これでは続けられない」と判断して作業を中断!!一昨日に引き続き、昨日も3分の1ドンを貫いてしまいました!


いやいや、ほら、フローリングの設置が終了してる部屋の壁紙貼るとか、もう一つの部屋もフローリングがない部分だけ後回しにして壁紙貼るとか、汚い車庫の壁を塗りなおすとか、注文待ってる間にできることは他にいくらでもあるんですけど!!!














2014年11月 2日 (日)

フランス版「公務員宿舎」の悪夢 その2

フランス版「公務員宿舎」の悪夢 のつづき)


行き場を失くした荷物をまたぎながら、家族3人がリビングの一部屋で生活するようになって2日目のこと。


日暮れ時に旦那さんが言いました。


「ボイラーの電気がチカチカしてるけど大丈夫かな」


台所に目をやると、引越し当日に点検してもらったばかりのガスボイラー(湯沸かし器兼温水暖房)の、温度表示の部分が点滅していました。


側にあったラジエーター(暖房器具)に手を当ててみると、つっ冷たい!


家中のラジエーターを確認しても、どれも皆冷え冷え。


引越し2日目にしてさっそく、ボイラーが故障したようでした(涙)


「まだ10月なんだし、暖房なんていらないでしょ」と思ったそこのあなた、フランス(特にフランシュ・コンテ地方)の10月を甘く見てはいけません。


引越し当日に示し合わせたように急降下した気温は、朝晩には5度以下になることもあり、10月と言えども暖房なしでは過ごせない日々が続いていたのです。



そしてこんなときに限って、暖房が壊れたらしいことに気づいたのが、金曜日の夜。


ここは誰がなんと言おうとフランスですから、週末に働いている人はほとんどいません。


当然、中学校と提携している修理工(部屋の改装をしている人とは別)もお休み。


駄目もとでその修理工に電話してみましたが、案の定留守電に切り替わりました。


大金を叩けば、町の修理工はすっ飛んできます。でも、引越し代金と住民税を払った上に給料日前だった我が家の口座はすっからかん。自費で修理工を呼ぶ余裕はなく、別の解決策を練らなければなりませんでした。


更に、暖房が切れてからわかったことがあります。それは、寒い日は暖房なしだと外より家のほうが寒いという事実。そして家の広さが寒さを助長しているという事実。家は狭ければ狭いほうが暖房効率がいいことを身をもって知りました。


日中はともかく、夕方以降はとにかく寒い。月曜日まで我慢しようかどうしようか考える余地はなく、その場しのぎの安物ヒーターを探し求めることになりました。


近所の家電量販店で「持ち運びできる暖房器具はありますか?」と聞くと、3種類のファンヒーターが並んでいるコーナーに案内されました。そこでは店員が、当然のようにdysonの最新暖房器具を薦めてきます。dysonの掃除機とは10年以上の付き合いがあるし、dysonの素晴らしさは誰よりも知っているつもりだけど、今はどう頑張っても399ユーロ(>5万円!)は捻出できません。


選んだのは一番安い、この器具 ↓




Dscn8435



39ユーロ也(dysonの10分の1(爆))


大きさからして、犬小屋くらいしか暖まらないんじゃないかと思わせる代物でしたが、ないよりはましです。


家に帰ってさっそくスイッチオン。


「ブゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


・・・うっ、うるさい!


長い間、ラジエーターの静けさに慣れた私たちの耳には、轟音にしか聞こえません。


飛行機の夜の便に乗って眠ることを余儀なくされているような二夜が過ぎ、長い週末が明けました。


月曜日の午後にやっと来てくれた修理工によると、必ず交換しないといけないガスボイラーの部品が少なくとも3つあるとのこと。ただし、部品の交換は“応急措置”であって、実際に施さなければならないのは、家中に張り巡らされている管を総入れ替えするという大掛かりな工事だとか。


「家中」とか「総入れ替え」などと言われると、そのうち家を追い出されるのではないかということまで頭をよぎります。


応急措置以前の緊急措置を施されたガスボイラーがまともに稼働したのは3日。


その後、一部のラジエーターが超高温を保ったまま、何をどう操作しても温度を下げられない状態に陥り、今度はなんと家の中が暑すぎるという、思いもよらない現象に頭をかかえることになりました。


室内温度が数日前の15度から一気に24度にまで上がり、どうしようかと思った矢先、危険を自ら察知したガスボイラーが自動停止。その24時間後には室温15度の生活に舞い戻ってしまいました。


秋休みも今日で終わり、明日からやっと学校関係者が活動し始めます。


今後彼らがどのようにして、どのくらいの時間をかけて問題解決に取り組んでくれるのかはある意味見ものですが、せめてクリスマスまでには寝室のリフォームとガスボイラーの工事が完了していることを願うばかりです。


また、寝室のリフォームが完了しても、暖房が正常に作動するようになっても、この名ばかりの“公務員宿舎”には、その他諸々の問題が山積しているという話を次回以降に持ち越したいと思います。






                                   つづく









問題のガスボイラー ↓ 



Dscn8437


ボイラーを囲む年季の入った壁紙も、校長直々に「これはさすがに交換しないとね」と言われたはずなのに、そのまま。これはこれで味があっていい、ということにでもしておかないとやってられない。




Dscn8438



ラジエーターの一つ。氷のように冷たくなったり高温になったり・・・。










2014年10月29日 (水)

フランス版「公務員宿舎」の悪夢

大抵のフランスの公立校(小・中・高)には、敷地内に教職員用の宿舎があります。


いわゆる教職員専用の「公務員宿舎」ですが、団地のような大規模な建物が連なっているところは皆無で、多いところで15軒くらい、少ないところで2軒程度が、校舎の脇にひっそり建っていることがほとんどです。


そして、旦那さんの今年の勤務先である中学校にも、教職員用の宿舎が三軒、校舎に隣接しています。


そのうちの一軒には事務のおばちゃん夫婦が、もう一軒には掃除のお姉さん夫婦が住んでいます。


三軒目には一年前に新しく赴任してきた校長が住む予定でしたが、家族と住んでいる家が別にあるからということで空き家になっていて、学校側が借り手を探していました。


勘のいい方はもうお気づきかと思いますが・・・


なんと、その三軒目に私たち一家が住むことになったのです!


中学校の敷地内ですから、旦那さんの通勤時間は・・・10秒(爆)


今年も2校を受け持っているので、もう一つの中学校までは車で45分ほどかかりますが、それでも週の大半を通勤時間10秒で過ごせることに彼は大喜び。ここ2年ほど通勤時間と授業時間が大して変わらないという、教師なのか客のいないタクシー運転手なのかわからなかった生活から開放されたので当然です。


通勤時間が劇的に短縮されたこと以外にも、①家の広さが100㎡もあるのに、家賃は前回(65㎡)とほぼ同じの据え置き価格だとか、②築年数が結構いっていて至る所で劣化している内装を、学校の経費でリフォームしてもらえるとか、③入居前に学校専属の掃除係が家中をくまなく掃除してくれる等々、話だけ聞いていると願ってもいなかったマイホームが転がり込んできたような、そんな錯覚に陥りました。


しかし、ここはフランス。


そんなおいしい話が予定通りに進むわけがありません。


「話だけ聞いていると」そうだったという話で、実際に私たちを待ち受けていたのは、何もかもが想定外の生活でした。


話と違う、ということを薄々感じはじめたのが引越し2週間前。


寝室二部屋のリフォームが一向に進む気配がなく、旦那さんが校長に理由を聞いてみると、「Rectorat(※)からの許可がまだ下りないから手をつけられない」という返事。求める書類と許可は星の数ほどあるフランスで、許可を理由に待たされるのは今回が初めてではありません。 ※大学区本部=地方単位の教育委員会のような機関


結局、 経費節約のために学校専属の修理工(兼庭師)が我が家の改装を請け負うことになり、彼が部屋の改装を始めたのは、なんと引越しの前日!


たった1人で二部屋を改装しなければなりませんから、どんなに急いでも3日はかかります。そもそもが、フランス人の修理工が私たちに気を使って急ぐことなどあるわけもなく、彼が1日目と2日目に仕上げたのは、天井のペンキ塗りだけ


更に不運なことに、世は秋休み中であり、学校専属の修理工ももちろん秋休みとる権利があります。


3日目に壁の一部を塗った彼は、10日間の秋休みを取るべく、我が家を去っていきました。


取り残された私たち。


2LDKの予定がLDKを強いられることになり、リビングでの寝起き生活が始まりました。


そしてそれは、いつまでもつづく悪夢の序章に過ぎませんでした。




                             つづく













改装中の寝室の一つ ↓


Dscn8376




出番を待つフローリングの板 ↓


Dscn8378











フォト
2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ